こんにちは!
天然エゾ鹿革のLEATHERECTIONです。
「鹿革って、高級な革なんですか?」
鹿革製品を初めて見た方から、こんな質問をいただくことがあります。
牛革は知っている。
馬革も聞いたことがある。
でも、鹿革となると、
「どんな革なんだろう?」
という方もまだまだ多いと思います。
実は鹿革は、最近になって登場した珍しいレザーではありません。
日本では昔からさまざまな用途に使われてきた
私たちの暮らしとも関わりの深い素材です。
では、なぜ日本人は鹿革を使ってきたのでしょうか。
珍しかったから?
見た目が美しかったから?
もちろん、それだけではありません。
今回は少し昔の日本を覗きながら、鹿革が長く大切にされてきた理由をお話ししてみたいと思います。
そもそも「高級な革」って、どんな革?

「高級革」という言葉をよく耳にします。
でも、考えてみると不思議な言葉ですよね。
値段が高ければ高級?
希少なら高級なのでしょうか?
それとも、有名ブランドが使っていれば高級なのでしょうか?
革の価値は、それほど単純ではありません。
・素材の希少性
・革そのものの性質
・鞣しや加工の技術
・仕立ての丁寧さ
・どのような製品にするのか
さまざまな要素が重なって、一つの革製品の価値が生まれます。
そのため、
「鹿革だからすべて高級品」
と単純に言うことはできません。
ただ、鹿革には昔から人々が価値を感じ、使い続けてきた理由があります。
そこを知ると、鹿革が少し違って見えてきます。
日本人と鹿革の付き合いはとても長い

鹿は、昔の日本人にとって身近な動物でした。
そして鹿からいただいたものは、さまざまな形で暮らしの中に活かされてきました。
その一つが「皮」です。
皮を鞣して革にすることで、丈夫で長く使える素材になります。
時代によって用途は変わりましたが、鹿革は武具や馬具、袋物など、さまざまなものに利用されてきました。
前回の記事では、戦国時代の武具にも鹿革が使われていたことをご紹介しました。
ここで注目したいのは、
昔の人たちが、鹿革を単なる装飾として使っていたわけではない
ということです。
日常の道具や武具には、実用性が求められます。
使いにくければ、長く残りません。
それでも鹿革が時代を越えて使われてきた。
そこには、素材そのものの良さがありました。
理由その1 驚くほど柔らかい

鹿革を初めて触った方から、よく聞く言葉があります。
「思っていた革と違う。」
そして、その次に多いのが、
「柔らかい!」
という感想です。
革というと、少し硬くてしっかりした素材を想像する方も多いでしょう。
鹿革は、そのイメージとは少し違います。

しなやかで、手に吸い付くような柔らかな触り心地。
この感触は、鹿革の大きな魅力です。
カードケースや財布など、毎日のように手で触れるものなら、この違いは特に感じやすいと思います。
使い始めから比較的柔らかく、さらに使い続けることで自分の手に馴染んでいく。
この「馴染む感覚」こそ、鹿革を使う楽しさの一つです。
理由その2 柔らかいのに丈夫

柔らかいと聞くと、
「その分、弱いのでは?」
と思いますよね。
ところが鹿革の面白いところは、
柔らかさと丈夫さをあわせ持っていることです。
鹿革は繊維が細かく絡み合った構造を持つとされ、しなやかでありながら強度にも優れています。
昔、鹿革が武具などにも使われた背景には、こうした性質がありました。
柔らかいだけなら、負荷のかかる道具には向きません。
硬く丈夫なだけなら、身体に触れる場所では使いにくくなります。
柔らかい。
でも丈夫。
この一見すると相反する特徴が、鹿革の大きな個性なのです。
理由その3 革なのに軽い

LEATHERECTIONのブログでは何度かお話ししていますが、
鹿革の魅力を語るなら「軽さ」も外せません。
革製品には、
「重い。」
というイメージがあります。
特に大きなバッグになると、
荷物を入れる前から重い……。
という経験をしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
鹿革は、革らしい存在感を楽しみながら、軽やかに使えるのが魅力です!

毎日使うバッグ。
身体に掛けるサコッシュ。
ポケットに入れる革小物。
そして、首元に身に着けるネクタイ。
日常的に使うものほど、数十グラム、数百グラムの違いが心地よさにつながります。
「良い革=重厚で重い革」だけではない。
鹿革に触れると、そんなことにも気づかされます。
昔の人も「長く使えるもの」を選んでいた

現代の私たちは、たくさんのものに囲まれています。
壊れたら買い替える。
古くなったら新しくする。
それが簡単にできる時代です。
でも、昔は今ほど簡単にものを買い替えることはできませんでした。
だからこそ、身の回りの道具には、
丈夫であること。
使いやすいこと。
修理しながら使えること。
長く使えること。
そんな価値が求められていました。
鹿革が長く利用されてきた背景を考えると、
こうした日本人の「ものを大切にする感覚」とも相性が良かったのではないかと思います。
高級とは「ピカピカしていること」ではないのかもしれない

高級なものというと、
傷一つない。
光沢がある。
新品の状態が美しい。
そんなイメージを持つかもしれません。
でも、天然皮革の価値は少し違います。
天然の鹿革には、一頭一頭異なる表情があり、
自然の中で生きてきた証が残ることもあります。

それを「欠点」と見るのか。
それとも、
天然素材だからこその個性
として楽しむのか。
LEATHERECTIONでは後者を大切にしています。
工業製品のように、すべてがまったく同じではありません。
だからこそ、自分の手元に届いた一枚との出会いがあります。
新品のときだけが一番ではない

そして革製品には、もう一つ面白いところがあります。
それは、
時間が経つことがマイナスだけではない
ということ。
毎日使うことで少しずつ革が馴染み、艶や表情が変化していく。
1年後、3年後、5年後・・・
新品とは違う魅力が生まれてきます。
革製品好きの方がよく口にする「育てる」という感覚です。
「良いものを長く使いたい。」
という方に、一度触れていただきたい革でもあります。
現代の北海道でエゾ鹿革を使うということ
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そして現在、私たちLEATHERECTIONが向き合っているのが、北海道のエゾ鹿です。
北海道では、増えたエゾ鹿による
農林業への被害や森林への影響などが課題となっています。
適正な個体数を保つために捕獲される鹿もいるのが現状。
その命からいただいたものを、できるだけ無駄にすることなく、
食肉として活用したり、
そして皮も捨てるのではなく、鞣して革へ。
さらに、長く使える製品へと仕立てていく。
私たちは、そこに現代の鹿革製品の一つの価値があると考えています。
最後に
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「鹿革は高級品なの?」
その答えを、単純に「はい」「いいえ」で決めることはできません。
鹿革だからというだけで、すべての製品の価値が決まるわけではないからです。
でも、日本人が昔から鹿革を利用し、その技術や文化が現代まで受け継がれてきたことには理由があります。
柔らかさ。
丈夫さ。
軽さ。
そして、使うほど手に馴染んでいく心地よさ。
こうした素材そのものの魅力が、時代が変わっても鹿革が選ばれてきた理由の一つなのでしょう。
「高級だから選ぶ」のではなく、
「この素材が好きだから、長く使いたい。」
そう思えること。
もしかすると、それこそが本当の意味での「良い革」なのかもしれません。
LEATHERECTIONを通して、
北海道産エゾ鹿革に初めて触れる方にも
そんな鹿革の奥深さを知っていただけたら嬉しいです。
このほか、ご質問があればいつでもお気軽にご連絡ください(^^)
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